相続人が海外に在住しており遺産分割協議が進まないケース

状 況

南米在住の相続人X氏と連絡が取れず、遺産分割協議が出来ないとのご相談でした。

両親、配偶者は既に亡くなっており、子供のいない方が亡くなられ、相続人は兄弟姉妹、甥姪の11名です。X氏は80歳代で、20年以上連絡が途絶えているようでした。戸籍の附票には出国先が国名しか記載されておらず、手掛かりが全くない状況でした。

当事務所からのご提案とお手伝い

家庭裁判所にて不在者財産管理人の選任をすることをご提案しました。相続人の1人が申立人となり、申立を行うことになりましたので、申立書類作成を受任しました。

不在者財産管理人は、不在者の財産を管理、保存するほか、家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で、不在者に代わって、遺産分割・不動産の売却等を行うことができます。

しかし、容易に不在者財産管理人が選任されるわけではありません。

結 果

申立資料を手掛かりに、家庭裁判所と公的機関の協力のもと、X氏の住所が記載されている書類を1通見つけ出すことが出来ました。その住所に、申立人に連絡を貰えるよう国際郵便にて手紙を送りましたが、返事はありませんでした。

その後、不在者財産管理人が選任され、権限外行為許可を得ることができ、遺産分割協議が成立した為、相続財産の分配、不動産の名義変更を行いました。

遺産分割協議終了より何か月か経った後、X氏を知るという、とある協会から、1通のメールが届いたと聞きました。

「X氏はご健在で、電話がなかった為、連絡することが出来ず、代理で連絡をしました。」という内容でした。信憑性、根拠とする資料は何もありません。不在者財産管理人より家庭裁判所と協議をした結果、本人と断定する根拠が必要な為、その協会の方の協力のもと、X氏、不在者財産管理人、X氏のご親族でTV電話をすることになりました。

その際に立ち会われたご親族は間違いなくX氏であると断言され、意思能力もはっきりされておりましたので、X氏から公的な身分証明を送ってもらうことになり、不在者財産管理人からX氏へ相続財産を引き渡す手続きに入ったとのことです。

今回のケースはX氏の周りの方々の良心的な助けがあり円満に解決しましたが、個人での判断は非常に危険です。

国同士の法律の違い等、大変複雑ですので、専門家にご相談することをお勧めします。
なお、当事務所は、南米、英国、アジア等の海外在住の方との遺産分割協議の実績が豊富にございます。