今から準備すべき遺言とは?ケース別で解説
遺言とは
遺言とは、遺言者の最終の意思を表したものです。
自分の財産を亡くなった後に、「誰に何を相続させるか」を自由に決めることができます。
遺言は、文字で残すことを原則とし、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープなどは認められていません。
付言事項
相続財産を誰にどういったものを相続させるかなどの法律行為以外のことを言い残したいことを記載することです。
遺言には、何を書いても問題ありませんが、 法律的には意味のない家族へのメッセージも、遺言者である本人にとっては大切であることに変わりはありません。
付言事項とは、 財産に関する事項以外にも遺言で定めることができますが、遺言内容に法律効果をもたらすことができる事項は、法律で決まっています。
遺言の書式
普通方式
◎自筆証書遺言
◎公正証書遺言
◎秘密証書遺言
特別方式
◎危急時遺言(一般・難船)
隔絶地遺言(一般・船舶)
自筆証書遺言
本人が、本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。
用紙は何でも構いませんが、ワープロ文字や代筆は認められず、必ず自分で書くことが必要となります。
公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言者本人が公証人役場に出向き、証人2人以上の立会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。
そして公証人は、記録した文章を本人と証人に読み聞かせたり、閲覧させたりして筆記の正確さを確認し、それぞれの署名・捺印を求めます。
これに、公正証書遺言の形式に従って作成した旨を公証人が記載し、署名・捺印して完成します。
なお、言葉の不自由な人や耳の不自由な人の場合は、本人の意思を伝えることのできる通訳を介して遺言を作成することができます。
また、相続人になる可能性のある人(推定相続人)、直系血族、未成年者、受遺者などは、公証人役場での証人になることはできません。
秘密証書遺言
本人が公証人役場に出向いて証書に内容を記載して署名・捺印した上で証書を封じ、同じ印鑑で封印をします。
この証書を公証人1人と証人2人以上の前に提出し、自分の遺言である旨を告げ、住所氏名を述べます。
それを公証人が封紙に日付と共に記録し、本人と証人と共に署名捺印して作成します。
公正証書遺言と同じように公証役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して、公証人も内容を確認できないところが相違点です。
遺言作成を行うべきべきタイミング
亡くなった後の財産を誰に相続するかを決める上では、遺言を作成しておくことで円満な相続に繋がります。
最近では、生前準備として遺言作成を考える人が増加傾向にある中で、書式や作成方法など相続や遺言の専門知識がないことにより、後回しにしてしまい結局作成しなかったという事もありますので、終活を始めるタイミングで作成することをおすすめします。
遺言は必ず作成しないといけないものなのか?
遺言は相続において必ず作成しなければならないというものではありません。
相続の専門家である司法書士目線では、相続に立ち会う際に「遺言があればもっと手続きがスムーズに終わったのに…」という事を感じざるを得ません。
遺言を必ず書いた方が良いケース
夫婦間に子供がいない
遺言に関連するご相談をいただく中で最も多いケースが、子どもがいない夫婦です。
夫婦の間に子供がいない場合、残された妻(夫)と義理の父や母、もしくは義理の兄弟達が相続人になるケースになるため、全員で遺産分割協議を行う必要があります。
相続人同士で仲が良くない場合や、疎遠でほとんど連絡を取っていない場合、遺産分割で揉める可能性もあり、生前のうちに夫婦で遺言を準備しておくことでそういったリスクを下げることに繋がります。
夫婦間でそれぞれ相手に自身の財産を相続する遺言を準備することで、兄弟姉妹の相続トラブルを回避することが可能です。
離婚歴があり、前妻(夫)子どもがいる
夫婦が離婚をした場合、法律上は他人となります。
離婚後に元夫婦の一方が亡くなったとしても、元配偶者には相続権はありません。
離婚した相手との子どもがいる場合、その子には相続権が発生します。
夫婦が離婚したからといって子どもとの親子関係は変わりません。
再婚されている方は現在の配偶者と(再婚者との間に子供がいる場合はその子供も含む)離婚した相手との子供との間で遺産分割協議を行わなければなりません。
判断能力がない相続人がいる(相続人に認知症、障がいの方がいる)
遺言がなければ相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。
相続人のうち一人でも判断能力のない方がいる場合、遺産分割協議を行うことはできず、相続手続きを進めることが出来ません。
認知症=意思能力が喪失しているというわけではありませんが、高齢で認知症を発症していると、自分の考えや意見を発することができなくなってしまう状態であると判断されてしまうケースがあります。
相続人同士が仲が良くない(疎遠で連絡を取っていない)
遺言がなければ相続人全員で遺産分割協議を行うことになるため、相続人同士の仲が悪い、連絡を取っていない場合は揉める可能性が高くなります。
特に、子供同士の仲が悪い場合は親が亡くなるとさらに関係が悪化し、態度が急変するというケースもあります。兄妹の妻(夫)が口をはさんで揉めるケースも多いため、少なからず揉めてしまう事もあります。
遺言をさくせいしておけば、こういった相続トラブルを防止する事に繋がります。
特定の人に財産を残したい
特定の人に相続財産を遺したいというケースでは、遺言作成者に対して看護、介護、または経済的な支援をしてくれたなど経緯は様々です。
相続人に対する感謝を込めて相続財産を与える場合や、残された相続人の生活資本のために相続財産を与えたいといった理由が良く見受けられます。
このような場合は遺言を作成しておかないと相続は法定相続分通りに相続されてしまいますので、仮にご自身(遺言者)が残したいという希望があっても遺言がない場合は、遺贈することも難しくなります。
特定の相続人に財産を残すようなときは、遺言を書いた理由や経緯、ご自身の気持ちなどをあわせて書いておくことで、相続人間での無用なトラブルを未然に防げる可能性があります。
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当事務所のサポート内容
項目 | 料金 |
---|---|
遺言書作成(自筆証書) | 55,000円~ |
遺言書作成(公正証書) | 132,000円~ |
証人立会い | 11,000円 |
遺言の保管 (年一回の安否確認含む) | 無料 |
遺言執行 | 報酬規程表のとおり |
遺言書の検認申し立て (裁判所に提出する書類の作成サポート) |
55,000円~ |
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